シンガポールの便利な送金手段達(GIRO, FAST, PayNow)

以前、お店での支払方法についてまとめてみましたが、今回はシンガポールで利用可能な送金方法についてまとめてみました。

参考記事:シンガポールでのお金の支払い方法のまとめ(NETS, FlashPay, EZ-Link, Pay Wave 等)

シンガポールでよく聞く送金方法として下記3つがあると思います。

  • GIRO
  • FAST
  • PayNow

これら3つは、The Association of Banks in Singapore(シンガポール銀行協会)により導入されているサービスです。

GIRO

GIRO(General Interbank Recurring Order)は、1984年から利用が開始されている銀行口座から自動引き落としができるサービスです。日本だと「口座自動振替」と言われているサービスに近いです。

参考リンク:https://www.abs.org.sg/consumer-banking/giro

身近なところでは、公共料金の自動引き落としに利用されています。私も公共料金(SPサービス)の支払には、GIROを設定しており、毎月、請求額が自動で引き落とされています。

GIRO設定画面

口座明細にも、GIROと明記されています。

GIRO公共料金

参考:GIRO支払先一覧

個人から企業への支払だけでなく、企業から個人への支払にも利用されています。例えば、私の毎月の給料もGIROを利用して支払われています。さらに、個人から個人への支払もGIROの利用は可能で、例えば私は毎月の家賃の支払にGIROを利用しています。

GIRO個人

FAST

FAST(Fast And Secure Transfers)は、2014年から開始されたサービスで、銀行間の送金を行うサービスです。日本でいう「銀行振込」に近いサービスです。

参考リンク:https://www.abs.org.sg/consumer-banking/fast

DBSのWebサイトからだと、下記のメニューからFASTを利用した支払が可能となっています。

DBS-FAST

現在、このFASTのサービスを利用できるのは20行です。日本の3大メガバンクも含まれています。
ただし、送金できる金額はシンガポールドルのみとなっています。

FAST利用可能な銀行

ANZ Bank, Bank of China, Tokyo-Mitsubishi UFJ, BNP Paribas, CIMB, Citibank, DBS/POSB, Deutsche Bank, HL Bank, The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited, Singapore Branch (HSBC), HSBC Bank (Singapore) , ICICI Bank e, ICBC, Maybank, Mizuho Bank, OCBC Bank, RHB Bank, Standard Chartered, Sumitomo Mitsui Bank, UOB 

PayNow

Pay Nowとは、 2017年に導入された個人間の送金方法の1つです。

参考リンク:https://www.abs.org.sg/consumer-banking/pay-now

このPay Nowの特徴は、送金したい相手の銀行口座を知らなくても、相手の電話番号が分かれば送金することができるという点です。また、その名前の通り、送金した金額は直ぐに相手方の銀行口座に反映されます。

送金手数料も不要ですので、小さな金額でも気軽に利用できるようになっています。

電話番号の他にも送金したい相手の NRIC(National Registration Identification Card)/FIN( Foreign Identification Number) の番号や、企業であれば、UEN(Unique Entity Number)と呼ばれるコードが分かれば送金できるようです。

例えばSaxoBankへ入金したい場合は、PayNowの場合の支払先としてUENの番号が明記されています。

現在(2020年1月)、PayNowが利用できる銀行は9行となっており、シンガポールでメジャーな銀行からはほぼ利用できます。

PayNow利用可能銀行

Bank of China, Citibank, DBS Bank/POSB, HSBC, ICBC, Maybank, OCBC, Standard Chartered, UOB

PayNowの設定

Pay Nowで現金を受取るには、銀行口座と電話番号を紐付ける必要があります。
紐付けたい銀行のWebサイト内にPayNowを設定する画面があるはずです。

例えば、UOBですと↓の画面で、個人の電話番号と銀行口座をリンクを設定できます。PayNow登録画面

PayNowの送金方法

銀行のWebサイトやアプリから、PayNowの送金を行えます。
UOBの場合は、

  • 相手の電話番号
  • 送金元の口座
  • 送金する金額
  • 自分の名前(イニシャル)

を入力すれば送金できます。

PayNow送金画面

次の画面では、「PAYEE NAME」の欄で相手の名前も確認できるので、送金先を間違えるのを防ぐこともできます。

Pay Now送金確認画面

PayNowの受取り

送金を受けると、直ぐに口座に入金され、銀行明細に表示されます。送金者の名前も表示されますので、誰から送金されたかも直ぐにわかります。

PayNow受取り画面

私、個人的には、PayNowはほとんど使ったことが無いのですが、発表によれば毎月11億SGD(約900億円)程度は、PayNowを利用した送金が行われているようです。

支払方法の比較

3つのサービス内容をまとめると↓の表になります。

  GIRO FAST PayNow
開始年 1984年 2014年 2017年
利用可能時間 事前設定要 24時間365日 24時間365日
手数料 無料 無料(銀行による) 無料
振込みに必要な情報 ・企業名、請求書番号
・銀行口座番号
・銀行口座番号 ・電話番号
・UEN
主な利用用途 定期的な支払い 1度のみの振込み 個人間の送金
日本で言うと 口座自動振替 銀行振込み ・LINEPay(?)

FASTは基本的に24時間365日可能ですが、銀行のWebサイトのメンテナンスなどの場合には、利用できません。

またPayNowに近いサービスは、日本にも沢山あるようですが、私は全く情報に追いつけておりません。。

まとめ

シンガポール国内の送金方法3つをまとめてみました。

どのサービスも基本的に銀行口座をお金の受け渡しに利用するので、銀行口座さえ持っていれば利用でき便利です。